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ハードからソフトへ~女性活躍にいま必要なもの

 ~「昇給」「昇格」ではない、自分にとっての「働くことの意味」



今週の日経ビジネス(6月18日発売号)に、
ライフ・ポートフォリオのコメントをご掲載いただきました。

女性活用リポート 「ケア偏重がやる気をそぐ~女性活用の幻想」
▽ (日経ビジネスオンラインでもご覧いただけます)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120608/233146/?ST=pc


なかなか刺激的なタイトルですが、内容はいたってシンプルです。

「ケア」偏重で、働き手と企業の関係性の「フェアネス」が損なわれれば、
結果的に「ぶら下がり」社員が生まれてきてしまうのは必然。

必要なのは、「働き続けたい」「自分なりのキャリアを積み上げたい」
という、女性自身の内発的な気持ちをいかに高めるかです。

その流れで、キャリアアップについての内発的な動機付けをするために、
 ・ライフプランにおける「キャリア」の意味を考えてもらう
 ・ライフイベント後を視野に、「ライフタイムキャリア」を考えてもらう
ことが有効である、という箇所で、コメントを引用いただきました。

■ いま、必要なのは「働きたい」という内発的な動機付け

記事の中でも指摘されていましたが、大手企業を中心に
女性の出産・育児の”支援制度”は、かなり手厚く整備されてきています。

しかし、肝心の女性自身がブレーキをかけている。
あるいは、制度をめいいっぱい使い切ることに意識が向いて
肝心のキャリアや仕事について、受身になってしまっている。

これは、女性活躍支援の焦点がが制度という”ハード”から、
女性のキャリア意識という”ソフト”に移ってきたことを意味しています。

すなわち、働くことの意味や目標をきちんと持ってもらう。
内発的な動機付けを、自ら行えるようサポートしなくてはならないということです。


■ なぜ働くのか、何を目標に仕事をするのか。
 
大多数は管理職になれず、給与も上がらない時代、
多くの働き手にとって、「昇格」「昇給」を目標に
がむしゃらに働きつづけることは困難になりつつあります。

そんな時代、働くことの意味や、仕事を通じて目指す目標は
自分自身で考え、答えを出さなくてはいけなくなってきました。

この問題は、本来は男性も共通に持っているはずの課題ですが、
女性の場合はライフイベント期にそういった課題が顕在化するため、
「やり玉にあげられている」という側面もある、と言えるのではないでしょうか。

 

■ ”次のステージ”を見据え、上手にライフイベント期を乗り越える
 
キャリアアップしたい・いい仕事をしたい・働き続けたい。
そういった気持ちがあやふやなままライフイベント期に突入した結果、
目の前の負荷に耐えきれず、会社の制度につい頼ってしまう・・・

これは、個々の人間のずるさ・怠惰さとばかりは言えません。
何を目標にがんばるか、それが不明確なままでは、がんばりきれないのです。
また、ライフイベント期に突入し、目の前の負荷が最大限になっているときに
「もっとがんばれ」「期待している」と発破をかけるのも、逆効果です。

必要なのは、ライフイベント期に入る前にアプローチ。
キャリアについての”健全な焦り”を促すことで
女性自身が、自ら動きはじめます。

これからの時代の雇用のあり方、キャリアの描き方について、

新しい形が必要となってきています。

そのキーワードが、「キャリア観の多様化」と、「ライフタイム・キャリア」ではないでしょうか。