産休・育休を埋める「人材バンク」

~パートタイムのプロフェッショナル、というキャリアの可能性

日経新聞5月8日(水)1面

 

中小向け「人材バンク」 育休中の代替要員確保/少子化相、来年度にも

 

森雅子少子化相は7日、日本経済新聞のインタビューで、

中小企業で働く女性が出産・育児休業を取りやすくするため、

休業中の女性に代わって業務を担う人材を派遣する「人材バンク」(仮称)を

2014年度にも創設する考えを明らかにした。

(中略)

登録者は子育てを終えた人たちなどを想定する。

中小企業では、産休・育休中の人繰りが難しく、結婚や出産を機に

退職に至る女性が多い。

 

少子化相は、「人材バンクに登録した人に子供ができた女性の

代替要員になってもらえば、(産休・育休を取った)女性が戻ってこられる」

と強調した

 

 

育休を最長3年に・・・という話は、企業規模に関わらず頭の痛い問題です。

この件については、また稿を改めて論じたいと思いますが・・・・

 

政府が検討中の「中小企業向け・人材バンク」

あれれ?とひっかかるところと、面白いと感じたところ、それぞれ書いてみたいと思います。

 

まず、「あれれ?」というポイント。

この人材バンク、勤務時間や業務ボリュームを、どう想定しているのかな?

という点です。

 

休職した女性の業務をまるまる穴埋めする・・・すなわち、1人日の業務では

派遣される側の女性にとって、何もメリットがないように感じます。

 

フルタイムで、正社員の業務を引き継いで、「雇用期限付きの代替要員」

働く側は、ここに登録するよりも、正社員の募集に応募した方がよさそうですね。

 

フルタイムの穴埋め要員を人材バンクで・・・ということになると、

一度退職した女性を「調整弁」として使いまわす仕組みになりかねません。

M字カーブの後半・・・仕事を再開しようとする女性に

単純労働・低賃金ではない仕事を紹介する・・・という意味では悪くないですが

少々、モデルとしてうまく回るのか疑問が残ります。

 

 

一方で、面白い取り組みになるかもと感じる点は、この人材バンクが

「業務内容に応じ、パートタイム社員を派遣する」ものだったら

「パートタイムのプロフェッショナル」というキャリアの積み上げ方が、

多くの人にとってハードルの低いものになるかもしれない、という点です。

 

 

私が会社勤めを辞め独立した直後、発見したことは

 

 「世の中は、派遣社員や一般事務職にはお願いできない質の業務だが、

  総合職の正社員ひとり雇うには半端な量の仕事があふれている」

 

ということでした。

 

どういうことかというと、ライフ・ポートフォリオを立ち上げたばかりの頃、

色々な方から、多種多様な業務の「手伝い」の依頼が舞い込んだのです。

 

プレゼン資料の作成や、商品紹介パンフレットの作成、

Webマーケティングの設計、テレアポ、データ分析、消費者インタビュー調査

etc、etc、etc・・・・

 

我ながら器用貧乏?だとは思いますが(笑)、その当時の経験のおかげで

自分の引き出しもだいぶ広がったな、と思うところもあります。

 

 

さて、政府の想定している「人材バンク」に話をもどすと、

これがフルタイム勤務の人材派遣ではなく、

週2~3日または1日数時間の程度の派遣をあっせんするものだったら・・・

 

面白い事になると思いませんか?

 

様々な事情で、出産を機に退職という選択を余儀なくされた場合でも、

週20時間程度の勤務から、パートタイム・プロフェッショナルという形で

着実にキャリアをつなげ、積み重ねることができる。

そして、時期がきたら、スムーズにフルタイム勤務として前線に復帰する。

 

そういった、自由なキャリアの積み上げ方の可能性・・・選択肢が広がるといいな、

そんなことを思いました。

 

 

その場合も、議論すべきことが山積みだとは思います。

 

雇用の調整弁として活用されてしまうのではないか、

正規雇用の枠が更に絞られるのではないか、

決められた時間で成果を出せる人材がどれだけいるのか、

そのマネジメントは・・・契約形態は・・・社会保険は・・・・

 

 

とはいえ、現状「正規社員」だけの特権になっている

時短勤務でのキャリアの積み上げの門戸が広がれば

働き手も企業も、もっと自由になれるのではと感じます。

 

 

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