日本の人事部 HRカンファレンス2017春 トークセッション内容全書き起こし(4/4)

いつまでも残業できると思うなよ~働き方改革から始まる人生ポートフォリオ

「やりたいこと」が、働き方改革のエネルギーになる

前原 : そうですよね。女性は元々分散投資が得意ですし、これから子育てというライフイベントに入る人は「よし、やるぞ!」と、覚悟・決めの問題だと思いますが、「これまでこの路線で来ちゃったから今更・・・」という方にはどのようなアプローチがありますか?

 

川島 : 単純に、「やりたいことをやりましょう!」とお伝えしています。先ほども申し上げた通り、40・50代の中高年の男性は、やりたいことを封印されてきたという気の毒な世代でもあります。でも学生時代思い出してみて、エンジョイしていたことはないですか?それをやればいいじゃない!と。単純にそれだけです。

 僕の周りにも沢山います。おやじバンドを結成して週末保育園に言って歌を歌っている人、草野球を始めた人、日本中を旅行にいくと決めた人、50歳になって新しく趣味を見つけた人もいる。やりたいことをやればいいと思います。「やらなきゃいけない」と思うとやらない。毎朝ジョギングしようとか、ゴミ拾いしようとか、義務感でやれるものではないですよね。

 

前原 : 仕事の責任感の延長でプライベートを充実させようとすると苦しいですよね。

 

川島 : 苦しいですね。人間っていくつになってもやりたいこと・ワクワクしたいことは沢山あるはずです。私の祖母は90歳過ぎても最後までやりたいことを描いていました。どんな人でも、何歳になっても、必ずやりたいことがあるはずなんです。

 

前原 : そういうのを思い出して、「いつまでも残業してはダメだ!」という気持ちを掻き立てていくことが大切ですよね。

 

川島 : 『終った人』にならないようにという話もしましたが、働き方改革や生産性向上には、 「やりたいこと」をしっかり意識することが大切なんです。なぜやるかというと、やはり人間やりたいこと・やるべきことがあると必然的に帰る時間を決めざるをえない、休む日を決めざるを得ない。だけど、日本人は真面目だし、管理職は責任感を持っているので成果を下げたくない。

 結果、組織や自分の成果を下げずに帰る時間・休む時間を確保するためにみんな工夫するようになります。先ほどのワーキングマザーと同じでね。8月31日の夏休みの子供とも同じです。仕事って全部逆算ですから、切羽詰まればやるんです。それが何も無いからどうしてもダラダラしてしまう。人間そんなもんです。

 ダラダラしないためには、やりたいこと・やるべきことを決める。そうすれば休む時間・帰る時間を決めざるを得ないわけです。このために管理職のおじさんたちにもやりたいことを見付けようよ、という話をよくしています。結局部下にとってもハッピーですからね。

 

前原 : 最近すごく思うんですが、日本のモラルの高い労働者は日本組織の強みだと思います。「プライベート大事にしようよ」と言うと、「そんなこと言ったら成果が下がってしまうのでは」と怖がる方がいらっしゃいますが、日本人だからこそ「プライベート大事にしようよ!」と声高に言って、時間当たり生産性が上がるはずと考えています。是非会場の皆さんにも、社員を信じてぐっと働き方改革の旗を振っていただきたいと思います。川島さん、最後に皆さんにメッセージをお願いします。

 

川島 : 会場の中には若い人もいらっしゃいますが、そうは言っても「うちの上司変わらないんです」と言う人がいたら、その人のメールボックスに『終わった人』を入れておいてください(笑)恐らく家でこっそり読みますから。

 

前原 : 直接渡すと「くそ、あいつめ!」って、目をつけられますからね(笑)

 

川島 : ルノアール辺りで読んだら、今日新橋で飲むのはやめてまっすぐ帰ろうとなるはずですから。繰り返しになりますが、私は管理職と同世代なので彼らを否定してはいけないと思うんです。昭和式の長時間労働はけしからん、管理職が悪い、という論調がありますが、そういう時代の中で仕方なかった面もあるんです。

 だからこそ、管理職の方々も、今からでも人生もっとエンジョイしよう!人生一回だよ! とお伝えしたいと思います。管理職の方も家庭や自分のことをもっと大事にしてください。そしてチーム全体、みんなで生産性あげていきましょう、というwin-winの関係にもっていかないと、なかなか管理職の意識は変わらないと思います。

 

前原 : おっしゃる通りだと思います。このままでは日本沈没だ・・・!という悲壮感ではなく、「やりたいことやって、人生めいっぱい楽しもうよ!」というワクワク感で働き方改革を実現していきたいですね。本日はありがとうございました。

 

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川島 高之

1987年三井物産入社、2012年グループの上場会社社長に就任。イクボス式経営で利益8割増、株価2倍に。2016年に社長退任し独立。ワーク・ライフ・ソーシャルの「3本柱の人生」を提唱し、元祖イクボス・働き方改革の旗手としてNPOの活動と並行し講演活動を行う。著書「いつまでも会社があると思うなよ!」 

前原 はづき

(株)ライフ・ポートフォリオ 代表取締役社長

企業の人材開発支援の経験から、「企業」と「個人」双方の視点からキャリアデザインのあり方を考察。

2009年、独立し「ライフ・ポートフォリオ」の考え方を提唱。

2015年(株)ライフ・ポートフォリオ設立。現在、働き方改革やキャリア研修を中心テーマとして活動。


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